WORK × LIFE STORY
若いころは大工をやったりしていました。父と同じ会社に入って大型の家具を作っていたんですが、会社の経営が傾いたことで、仕事を続けることができなくなってしまったんですよね。もともと自分達が作った家具の配送をしてくれていた運送会社が仕事を世話してくれることになったんです。それが私がドライバーになったきっかけです。
ドライバーの仕事を初めて最初の頃に担当したのが百貨店への配送でした。真夏のバラ積みは大変でしたし、慣れていない大きな車を運転するのは、やっぱり怖かったですね。それにお客さんのところへ向うときに通らなければいけない道が、対向車とすれ違うのもギリギリ、曲がるのもギリギリな幅の狭さで、そこを通る度に毎回ヒヤヒヤしていました。
でも百貨店で出会う人たちがすごく良い人たちで、「最近どう?」って気さくに話しかけてくれたりするんです。それで出入りしていた他社のドライバーさんたちとも自然と仲間のようになって、休憩時間に雑談で盛り上がったりしていました。
おかげで配送の仕事の大変さよりも、人との繋がりや会話が楽しく感じるようになっていって、気が付いたら20年以上この仕事を続けていました。これまで築いてきたお客さんとの信頼関係と、それによる安心感が自分にとってのやりがいに繋がっているんだと思います。
ところが昨年になって、会社側の判断で私が担当していた百貨店の仕事から手を引くことになったんです。それを知って最初に感じたのは「私はまだこのお客さんたちと仕事をしていたいな」ということでした。長年お世話になってきた会社で恩も感じていましたが、同じく時間をかけて築いてきたお客さんとの繋がりを手放すのはもったいないとも思ったんです。なので、自分がやりがいを感じられる仕事を続けるために、会社が手を引いた百貨店の仕事を引き継ぐことになったSBSロジコムに転職できないか、上司に相談しました。
幸い所属していた会社でも、SBSロジコムの方でも私の希望を汲み取ってくれて、会社を移ることも、会社を移ってからも同じお客さんを担当することもできるようになりました。お客さんのためになるからだという判断もあったのだと思いますが、結果として個人的な希望を叶えてもらえたことはすごく嬉しかったです。
入社する前から、SBSロジコムのトラックを見かけるたびに「丁寧に運転してるな」と思ってたんです。大体他の車よりもゆっくり走ってるので、すぐに分かるくらいでした。
私自身もかなり安全には気を配っていた方だと思いますが、SBSロジコムに入社してからはそれまで以上に安全運転を心がけるようになったと感じます。トラックに付いている機械が走行速度や急発進、急ブレーキなどの運転中の操作を記録しているんですが、制限速度に近づいたりすると機械からアラームが鳴って知らせてくれます。その記録から安全な運行をしていたかどうか、運転技術を減点方式で点数にして毎月事務所に張り出されるんですよ。
そうやって点数になって目に見えるようになると、もともと極めたくなっちゃう性格もあって「どうせなら100点満点を取りたい」と思ってしまったんです。そうするとやっぱり自然と今までよりも丁寧な運転をするようになっていきましたね。だから3ヶ月連続で100点を取れたときは達成感もありましたし、素直に嬉しかったです。
それもあって、SBSグループ全体で行うドライバーコンテストに、SBSロジコムの代表として出場することを支店長が推薦してくれたんです。自分の頑張りが認められた気がしてさらにやる気が湧きました。
コンテストでは運転技術はもちろん、日常点検や筆記のテストもあるんです。なので自分の運転や安全に対する意識を見直すきっかけになりました。無意識でやっていた車両点検の項目とか、見たことあるけど名前は知らないパーツとか結構あって、空いてる時間に研修の動画を見返したり、似たような試験問題を繰り返し解いたりしていました。
ちゃんと勉強したおかげで、整備士さんとまではいかないですが、なぜそこを点検しなくちゃいけないのか、どこに危険を知らせるポイントがあるのか、より深く知識を身につけられました。コンテストのときは丁寧にやりすぎて制限時間内に点検項目全てを終えられなくなっちゃいましたけど(笑)。こんなにも安全運転を意識するきっかけや学ぶ機会があることは、SBSロジコムみたいな大きな会社の利点だと思います。
朝はだいたい6時くらいに出勤して点呼をとり、1日2便のスケジュールで動いています。いつも7時から倉庫で荷物を積み込んで、配送先の百貨店までは片道1時間ちょっとですね。荷物を下ろしたら休憩をはさみ、12時くらいにはまた倉庫に戻ってきて、もう一度荷物の配送に向かいます。
この仕事が長いと慣れてることも多いので、大変だと感じることはあまりないんですよね。最近はバラ積みではなく、カゴ台車にあらかじめ商品が用意されているので、体力的に大変だと感じることも、さらに少なくなりました。そのおかげで、このさき年齢を重ねても、まだまだこの仕事を続けていけるんじゃないかなと感じてます。
これまでずっと、運転中は「確実によく見る」ということを意識してきました。そのおかげで長年ドライバーとして働いていますが、まだ事故を経験したことがないんです。走っている道の前も後ろもしっかり確認し、常に運転に集中することが、自分や周りの安全を守り、無事故でいられていることに繋がってるんだと思います。これからもこの無事故記録を誇りに、さらに伸ばしていきたいと思っています。
18時くらいには仕事が終わるので、そのまま帰りに趣味の卓球の練習に行くこともありますね。卓球は若いときから続けていて、今でも週2回くらいは体育館に行ったり、クラブの大会に出たりしてるんです。おかげで、集中力や反射神経が鍛えられてる気がしています。
大事な大会の前には休みの日に家の近くを走ったり、仕事終わりでも体力に余裕があるので、体を動かして気持ちもリフレッシュできてます。仕事のためにも自分のためにも、健康でいることが一番大切だと思っているので、仕事とプライベートのバランスが取れる今の働き方は、とてもありがたいですね。
妻に、長く勤めていた会社を辞めて、SBSロジコムに転職すると言った時、大きくて安定した会社に入ることを喜んでくれました。会社の規模や福利厚生などの制度がしっかりしていることや、経営が安定していることは、妻にとっても安心感があったんでしょうね。この仕事を長く続けていきたい私にとっても、応援してくれて嬉しかったです。
妻とは卓球を通じて出会いました。今でも一緒に練習したり、ペアを組んで大会に出て、優勝したこともあります(笑)。これからも夫婦一緒に趣味を楽しんでいけるよう、健康に気をつけながら、この仕事も長く続けていきたいと思います。
(インタビュー取材 2024年12月)